無添加・自家製ベーコンの作り方

ベーコンやハムなどは添加物の塊だという話は有名ですが、今回は自家製で無添加のベーコンと鶏ハムをつくってみました。

食の安全は食品添加物に守られてる?

書き出しで添加物を批判するような言い方をしましたが、私自身は添加物が本当に悪いとは思っていません。

ソーセージやベーコンの発色剤である亜硝酸ナトリウムはわずか2gで致死量に達する劇薬です。

たぶん「美味しんぼ」の影響でしょうがこれを添加物が体に悪いものだと印象付ける原因の一つでしょう。

しかし亜硝酸ナトリウムには、ボツリヌス菌の増殖や病原性大腸菌O157の毒素を抑制させる働きを持っています。まさに毒を以って毒を制すですね。

そのため市販の際には添加する事が義務付けられており、どんなに美味しいベーコンやハムにも市販されているものには必ず添加されています。

添加物は害だ!食の安全を守れという人もいますが、ボツリヌス菌や病原性大腸菌O157に感染すれば、普通に死にますからね。

本当は食品添加物のおかげで食の安全が守られている事を忘れてはいけません。

無添加ベーコンを作る際に気をつけるのは細菌

話は逸れましたが、添加物を用いないベーコンを作るため気をつけるのは細菌の繁殖です。作り方そのものはいたって簡単ですが、1週間程度漬けおくためのポイントがあります。

  • 薬用石鹸で手を洗いアルコール消毒する。もしくはポリ手袋を使用
  • まな板・包丁は熱湯をかけ消毒し、さらにアルコール除菌する
  • 容器もよく洗いアルコール除菌

以上の3つを守ってください。特に手は細菌の塊ですから調理前の手洗い・消毒はいつもの調理でも気をつけましょう。

自家製ベーコンの仕込み

ベーコンを作るのには揉み込む方法と漬け込む方法の2種類があります。そのうち初心者でも簡単にできる(同じ味の再現性が高い)漬け込む方法ですすめていきます。

基本材料

豚バラ肉 約800g
鶏むね肉 約400g
1000cc
100〜120g
砂糖 60g

香辛料など

月桂樹の葉 2枚
粒胡椒 3gくらい
ニンニク 2かけ
しょうが 薄切り1枚
パセリの茎 1房
セロリ 1本
バジル 適量
オレガノ 適量
 コリアンダー 適量
 ウィスキー 60cc程度

塩分濃度を抑えて保存性より美味しさを重視したレシピです

多くのレシピでは塩分濃度を17%を目安にしているところが多いのですが、これだと保存性は高まりますがやはりしょっぱすぎてしまうため私は塩を10~12%に減らす代わりに砂糖を5%程度加える事で殺菌性を高めつつ、まろやかな旨味を加えています。塩も砂糖も古くから使われる天然の保存料です。

これでも10日ほどで食べきれば特に問題ないと思います。

香辛料を使わずに作ると和食にも合うベーコンに!

基本材料と香辛料を分けて表記しましたが、香辛料は各家庭にあるもので大丈夫です。ニンニク・バジル・オレガノ・コリアンダーなどの西洋香辛料を使わずに作ると和食にもあうベーコンが仕上がります。

香辛料を使わずに作ったベーコンをお蕎麦に入れると鴨そばみたいで非常に美味しいですよ。

また、パセリの茎とセロリには肉の発色を良くする成分が含まれています。特にこだわらなければいれなくてもかまいません。つまりつけ汁は塩と砂糖だけでも十分なのです。そのため香辛料は分けて書きました。

ピックル液(ソミュール液)を仕込む

ソミュール液(ピックル液)の作り方

今回は香辛料をふんだんに使いソミュール液を作りました。ウィスキー以外の材料をすべて水に入れて沸騰させれば完成です。あとは常温に戻します。

肉を仕込む

近くのスーパーaveで買ってきた100g79円のやっすい肉ですwww

ここの肉は安い割に切り方が良いので重宝しています。ベーコン用の肉を購入するときは底の方の油の付き具合を確認して購入しています。サシが多すぎるのは控えて赤みと油のバランスがよい肉を選びましょう。

肉に触れる前にまず手洗い・包丁・まな板の除菌

最初にも触れたように1週間漬け込むため、ここで雑菌がついてしまうと熟成中に雑菌が繁殖してしまい腐ってしまいます。

しっかりと殺菌・除菌をしましょう。

今回肉を切らずに作りましたが、漬け込む容器やジップロックなどの大きさに合わせて成形するとよいでしょう。

成型の終わった肉をウィスキーを肉に刷り込み肉自体の除菌をします。アルコール除菌スプレーやその他アルコール度数の高いお酒でもかまいません。

これを覚ましたソミュール液に漬け込み、冷蔵庫で5日〜1週間程度漬け込み、熟成させます。

 

ベーコンの塩抜き

溜めた水の入れ替えだと塩分が抜けないため必ず水をチョロチョロ出し水を入れ替え続けること

1週間後、ソミュール液から肉を取り出し塩抜きします。塩抜きは水を張ったボールに肉を入れ水をチョロチョロと出しながら3〜5時間ほど水にさらします。

水道代が勿体無いと思われるかもしれませんが、溜めた水で入れ替えながらという方法だと塩分がしっかりと抜けてくれません。しかもチョロチョロ出しで水道料が上がることはほとんどありません。

塩抜き具合を味見して「ちょっと薄い」と感じるくらいが食べごろ

塩抜きが終わったあと、肉のハシを切り焼いて味見しましょう。ちょっと薄いかな?というくらいが丁度良いです。

逆にしょっぱくて食べれないと感じるようであれば塩抜きを続けてください。

ベーコンを乾燥させる

肉をキッチンペーパーなどでよく拭き水気を取ります。水っ気が感じられるくらいまで丹念に拭き取ってください。

その後お皿に置き、ラップをせずに冷蔵庫に入れて3〜一晩おくか、ネットなどに入れて天日で2〜3時間乾燥させます。

後者の方が旨味が凝縮しそうですが、私はずぼらで忘れてしまいそうなので冷蔵庫で乾燥させています。

表面がパサパサしていたら頃合いです。

いよいよ燻製!燻製に必要な道具は?

燻製に使った道具

  • 折りたたみ式いぶし処
  • スモークチップ(さくら)
  • 温度計
  • スモーカー用フック
  • 卓上ガスコンロ
  • アルミ皿

私の使っている燻製の道具は「燻し処」という燻製キットです。折りたたみができるため非常に重宝しています。私はホームセンターで3000円程度で買いましたが、amazonの通販をみたらチップや、温度計、フックもついて3980円とは!

ちなみにこの温度計、フックも別途で買いました。たしかこれだけで1500円程度したと記憶しています。さらにチップにウッドもついてとは非常にお買い得です。


SOTO(ソト)は燻製専門メーカーらしくチップ、ウッドを始めソーセージキットやサードパーティーも豊富で非常に重宝しています。

その他必要なのは卓上ガスコンロですね。自宅のガスコンロでやると熱感知で火が消えてしまい、温度管理が難しくなります。

中華鍋を使って作るやり方もありますが、こちらについては後ほど説明します。

まずはウッドを使わずに90〜100℃で1時間

豚ばら肉はそのまま吊るし、鶏胸肉は皮を外目に巻いてチャーシュー用の糸で巻いてあります。スーパーなどのブロック肉のあたりでタダで置いてあるので拝借しました。

がっつりと薫りを楽しみたい場合は最初からチップを入れて2〜3時間でも良いのですが、かなり薫香が強いため最初はこの方法をおすすめします。

肉の脂で燃えないようにアルミ皿に水を張る

下にスモークチップを引き、その上に水を張ったアルミ皿を置きます。これは肉の脂でが落ち、チップが燃え上がるのを防ぐためです。

火は温度計を見ながら調整しますがごくごく弱火で大丈夫です。この行程は自宅のオーブンなどでも可能です。温度を90〜100℃にセットして同様に1時間です。

本来70〜80℃で3時間程度で仕上げるのが良いのですが、この温度だと肉の厚みによって芯まで70℃に達しない可能性があるので最初の1時間は90〜100℃で火を通しています。

チップを加えて70〜80℃で温燻1時間半

いよいよ薫り付けの作業です。

チップを皿に引き再び火をつけます。最初は中火で煙が立ち始めたら先ほどよりも火を弱め70〜80℃で安定するように調整します。

ウッドが30分ほどで燃え尽きるので1〜2回程度チップを取り替えてください。

チップを取り替えるタイミングで仕上がり具合を確認してしっかり色づいているようでしたら完成です。

中華鍋や底の深いフライパンでの作り方

燻製セットは持ってないという方はこちらの方法で試して見てください。

1.オーブンで90〜100℃で1時間半

火を入れる作業をオーブンでほとんど済ませてしまいます。中華鍋で作る方法は鍋を空焚きするようなものなので、なるべく短い時間で済ませるためです。

2.中華鍋にチップを引く

中華鍋にアルミ箔を張りチップをセットして上げ底の網を引きます。網に素材をのせて蓋をします。

3.火をかけ煙が出たら火を止める

チップから煙が出たら火を止めます。これは冷燻という方法で温度を上げずに煙の薫りだけつける方法です。

冷燻なら様々な食材で可能です

スモークチーズやスモークサーモン、スモーク海老など変わったところでは醤油をスモークする事もあります。

今回は自家製ベーコンを作りましたが、市販のベーコンを冷燻でスモークするとワンランク上がった本格ベーコンへと変貌します。手軽に楽しみたい時はこちらの方法でどうぞ。

なお、多構造の鍋やフライパンやテフロン系のフライパンはダメにしてしまう可能性があるので中華鍋などの鉄製での作業をおすすめします。

 

まるでラピュタでドーラが食べているようなベーコンが出来上がりました!!

無添加・自家製ベーコンの作り方

ドーラがパズーの家でむしゃぶりついていたような肉がついに完成しました!

すぐに食べると薫香が強すぎるのですが初めて食べたら衝撃です「これが本物のベーコンか!」と今まで食べてきたベーコンを疑いたくなるほどのインパクトです。

ジューシーな油の旨味、熟成した肉の歯ごたえ。野趣溢れる味とはこのことです。

自家製ベーコンを使った料理

自家製ベーコンと庭でわさわさ生えてるバジルで作ったジェノベーゼ

ベーコンといえばパスタ!パスタといえばベーコン!フレッシュバジルと燻製の強い薫りが合間って店でも食べることのできない味で「世界一料理が上手いかも?」と勘違いしてしまいます。

 

自家製ベーコンのジェノベーゼ

トマトとベーコンの冷やし塩ラーメン

私のお気に入りシマダヤの3食入り塩ラーメンを冷やしにしていただきました。やっぱりベーコンにはトマトだよ〜!と叫びたくなる味です。

カルボナーラ丼

カルボナーラ丼

卵かけご飯に粉チーズを混ぜ、焼いたベーコンとチェダーチーズをのせたカルボナーラ丼です。ベーコンたっぷりで肉好きにはたまらん!

無添加・自家製ベーコンの作り方まとめ

  • 肉を塩分濃度10〜30%のソミュール液に1週間程度漬け込む
  • 流水で3〜5時間塩抜き
  • 水分を拭き取りラップをせず冷蔵庫で3時間〜一昼夜
  • オーブンなどで90〜100℃で1時間焼く
  • 70〜80℃で1時間半燻す
  • 完成

作り方自体は非常に簡単ですが寝かせるという作業がかなり時間を要します。

これは本格的に作る際のレシピですが時間をかけずに作るレシピも今後紹介していきます。

この記事が気に入ったら
いいね ! しよう

Twitter で