うつ病が治った時の話をしようと思う【その1】

テレビドラマが心に刺さりすぎて見れない・・・気づけばアニオタに

私がうつ病になり引きこもりになってから1年。この時のドラマというのは2ちゃんねるやリアルな体験談や、携帯小説などに感化されてより心に刺さり、感情をゆさぶるようにというドラマが主流でした。心の闇にスポットライトを当てるようなドラマばかりでしたので今まさに心の闇を抱えている私にとってはかなりキツイものでした。

そういうこともありテレビは見ずネットで無料で見られるアニメばかり見ていました。アニメの場合フィクションとして純粋に見られるため、必要以上に心に刺さることもなく安心して見ることができました。日常系アニメや、やたら主人公がモテるアニメが流行っていたのも私のように心が弱った人にちょうどよい作品だったのかもしれません。

その中でも心い響いたのが「ARIA」というアニメでした。未来の火星に作ったネオ・ヴェネツィアという街でゴンドラで水先案内人を務める少女の話にどっぷりはまりました。

感情の闇に触れるような描写はなく、優しさでつながっていく世界観に癒されました。劇中の「この景色が美しいのは、あなたが美しいからよ」というセリフは今も心に残る名言です。

アニメが創作活動のきっかけに砂の右手という絵本を書き始める

砂の右手

アニメを通じて再び創作を手がけてみようという気持ちになりました。20代前半の頃から私的な小説を書くような事をやっていたこともありましたが、未完のものが多くなにか一つ完成させてやりたいという思いもありました。

当時Yahoo!ブログで砂の右手という絵本を書き始めした。現在はTwitterのアイコンなどにしています。砂の右手という絵本は当時の心象で砂でできた右手を握りしめながら砂漠をあてどなく歩き続けるという話で、風化しても離すことのできない温もりというのがテーマでした。

当時はブログにコメントを残すなどアナログな方法でアクセスを伸ばす事が出来たので月間15000以上のアクセスもあり、この絵本を出版してくれるという話もあったのですが、なにぶん病んでいる身で期日通りに仕上げるという事ができずにその話は流れてしまいました。

自ら巻いた種ですが結局なにかしらの作家になりたいという夢も潰えてしまいました。

1週間お風呂に入らないことがざらになり、引きこもりスパイラルを加速させる

引きこもりというのは基本はヒマでどこか行きたいという欲求もないため一日中パソコンの前にかじりつくような日々でした。こうした日を過ごしているとペットボトルで用を足すほどの出不精には至りませんでしたが、とにかく風呂に入らなくなります。

外に出てないし汚れてないし、と平気で1週間風呂に入らないこともざらでした。

他のうつ病の人たちに聞くと私と同じようにお風呂に入らない。むしろ入ろうと思うんだけど入れないという人が多くいました。お風呂に入っていないものだから外に出るにはシャワー浴びなきゃと考えるようになり、誰かに外に誘われてもお風呂に入っていないものだからすぐに出る事が出来ない。

引きこもりスパイラル

お風呂に入らない → 友達からの誘い → お風呂入っていない → シャワー浴びなきゃ → 間に合わない・遅刻する → いかない  → お風呂はいらない

このようにお風呂はいらない事がきっかけに引きこもりスパイラルに陥っていきました。

逆にいえばこの「お風呂に入る」という事がうつ病を治すきっかけにもなったのです。

うつ病を治すきっかけはドリフにあり

ドリフの大爆笑でいかりや長介さんをはじめとするメンバーが

「風呂入ったか?」

「飯食ったか?」

「歯磨いたか?」

とエンディングで問いかけますが、うつ病を治すきっかけはまさにこれでした。うつ病と診断されながらも実生活を送れている人は別かもしれませんが、うつ病の時というのは基本的なルーティンが崩れています。

第一に「夜は寝る」というのが一番大事なのですが、これはうつ病の人、働いている人(そもそも職場環境のせいで慢性睡眠不足がという場合が多いです)にとっても意外にハードルが高いものです。

そのため「できる事」から始めるのがよかったです。うつ病を治す時に行ったのは以下の3つです

  • お風呂に入る
  • 着替える
  • 部屋を整頓する

ただこれらは「やらなきゃ!」と思っていても中々できないんですよね。これすらまともにできない事でさらに落ち込んで・・・というループでした。

そのため、私の場合はじめに取り掛かったのは布団を干す事でした。毎日干さなくても良いのですが布団を干した後の寝床は淀んだ気が払われたような清廉さがあります。うつ病というのは環境が大きな原因を占めているため布団を干すという事には人生の1/3を過ごす環境をすぐに変える効果がありました。

もし家族にうつ病の人がいる場合「お風呂入りなさい」「歯を磨きなさい」といっても聞いてくれないと思います。人に何かをさせるのはとても難しいものですが、できる事であれば布団をまず干してあげてください。

科学的にも朝の日光を浴びる事でセロトニンが活性化しうつ病が改善されやすいとされていますが、布団を干すというのも太陽の恩恵を授かる事に一躍買っていたみたいです。部屋の空気を入れ替えるというのもシンプルですが心を保つのによかったと思います。

引きこもりがちなうつ病を抱えている家族への対処法

  • 布団を干す
  • 窓を開ける
  • 食事の時間を決める

もしご家族に引きこもりがちなうつ病の人がいるときは上記の事から始めてみてください。引きこもりがちな人は昼夜逆転の生活を送っている方が多いかと思われますが、大体は夕方は活動的なので食事の時間は7時なら7時と決めて基準となる時間のルーティンを一つ作ると他のルーティンも作りやすくなります。

ご飯食べた後「お風呂入りなさい」「歯磨きしなさい」は子供の頃に言われ続けてきた事なので割と抵抗なく受け入れられやすいのでなるべく声かけしてあげてください。

毎日お風呂に入るようになればそれは快方に向かっています。

私は子供の時に躾けられた事をもう一度やり直す事がうつ病を治すきっかけとなりました。

 

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