生活習慣が引き寄せるうつ病

うつ病になりやすい人はまじめで、責任感が強く、完璧主義で人からの評価も高く、道徳観の強い人というのが特徴とされています。しかしながら、うつ病が治った時の話をしようと思う【その1】ブラック企業退職から引きこもりの憧れデイトレードへでも書いたようにうつ病になりたいと願ってしまい、うつ病に引き寄せられなってしまうこともあります。

このように書くとうつ病は「仮病」と思われるかもしれませんが「逃げ出したい劣悪な環境」がうつ病の一端になっているためうつ病は「環境病」の側面があると私は考えています。糖尿病や、通風などが日々の生活習慣によって引き起こされるように、心の病も生活習慣などの外的要因であるのが普通です。

ですから精神を病んだと必要以上に落ち込むこともなく誰にでもなりうる病気ですから安心してください。

寝溜めが必要な生活を送っている人

普段の仕事柄帰宅が遅く朝も早い。休日は爆睡して過ごすという方はなりやすいので注意が必要です。休日を寝て過ごすという事への罪悪感や喪失感も大きく「一体なんのために働いているのか?」という些細な疑問が心に蓄積しうつ病につながっていく事はすくなくありません。

デザイナーやエンジニアなど締切が最優先になるため、会社に泊り込むような事もすくなくありません。そういう寝不足になりがちで寝溜めが必要なほどの激務と生活ルーチンが心を蝕んでいきます。

大変だけど仕事・業種自体は好きな人

そんなブラックな仕事なんて辞めればいい。お金を稼ぐ手段なんて他にもあるのだからと、とっとと仕事を辞められる人であれば簡単ですが、高給である・仕事は好き・家庭があるなど様々な理由がありますが、仕事自体を辞めたくはないと考えている人もうつ病になりやすい人と言えるでしょう。

仕事や生活というのはごちゃ混ぜのスープのようなもので好きな事の中に嫌な事・苦手な事があったり、複雑に絡み合っています。うつ病や希死念慮にとらわれると「全部が嫌な事」になってしまうのですが、私の場合、好きな事と嫌なことを仕分けする事がうつ病を克服するきっかけになりました。

朝起きるのが苦手な人

朝起きるのが苦手は人は睡眠が浅いケースが多く、慢性的な寝不足が「起きれなかったらどうしよう?」という寝るという行為へのストレスにつながり睡眠が浅かったり、睡眠障害に陥ったりとしていきます。

この睡眠障害からうつ病へと発展していくケースは多く、睡眠を十分にとれる生活がうつ病の克服には欠かせないのですが、仕事に戻る=再び慢性的な睡眠不足の生活となるため、今度はうつ病が治る事が怖くなる。もしくは仕事に戻ったとしてもまたうつ病になるかも・・・という不安が消えない方も多くいます。

うつ病になりやすさは女性が2倍

うつ病の有病者数は男性に比べ女性が2倍という結果になっています。これは女性特有のホルモンバランスの乱れが原因とされています。しかし先にも述べたようにうつ病は環境が大きく影響する病です。

男性の場合、家庭と仕事と切り分けて生活をしていますが多くの女性は、家庭という束縛から常に逃れる事が出来ません。仕事をしていても子供が体調を崩せば迎えに行き、休日には掃除や洗濯を普段以上念入りにし、自分のための余暇というものがほとんどない方が多いでしょう。

「大変だけど仕事は好きな人」の項目と同じですが好きなものと嫌な事が切り離せないほど密接にある環境というのは心が乱れやすく「子供は好きだけど、家事や家庭の事がわずらわしい自分の時間が欲しい」など好きなもののせいで、やりたい事ができない。という葛藤は男性よりも女性の方が圧倒的に大きいように思えます。

うつ病は逃げろ!止めろ!という心のシグナル

うつ病はセロトニンがうんぬん。など科学的な解釈もありますが原因はわかりきっています。うつ病になった現在の環境そのものです。いつも楽しく幸せで満たされた状態にいればうつ病になる事はありません。心や体にストレスが蓄積してうつ病という形で現れるのです。

うつ病によって休業している人はまた戻らなければならない職場そのものが原因です。
子供もいて家庭もある主婦の方は家庭そのものが原因です。

だから仕事を辞めれば、離婚をすれば治ります。などという気はありません。しかし自分を苦しめる環境への向き合い方を変える事は重要だと思います。

仕事や家庭をやめるのは簡単ではありません。どちらも言える事ですが「生活」というものがある限り簡単には決断できない。だからこそ悩み、苦しみ、ストレスとなりうつ病へとなっていくのですが、悩んでいる時というのはストレスの原因に対する捉え方が大雑把なため答えがでないものです。

うつ病を克服するのに必要なのはノートとえんぴつ

ストレスの原因は大まかには理解しているはずです。仕事であったり、家庭であったりそういうおおまかなくくりを「嫌になる。やりたくない」というのがうつ病です。

それを大まかにとらえずしっかりと仕分けしていくのです。これは僕の場合ですがデザインという仕事は好きでしたが、やはり仕事が長時間拘束である事や残業代が出ない。締め切りに追われる環境など様々な不満がありました。

これらをこんな風に仕分けてみました。

■好きな事・やりたい事
デスクワーク
クリエイティブである事
飲食関係
打合せ
アイデアを出す事
思いやりのある人
プロレスラー
きんもくせい
■嫌いな事・やりたくない事
長時間労働
締め切り
給料やすい
眠れない
残業
自慢する人
宮迫タイプの人

このように紙と鉛筆を使って思うがままに書き連ねていきました。仕事に限らずやりたい事・やりたくない事・好きな人・嫌いな人とノートに思うがまま

・好きなもの

・嫌いなもの

こういうのを仕分けしていったのです。1日で全部かき上げようと思う事はありません。日々好きなもの・嫌いなもの・やりたい事・やりたくない事を日記のように書き足していくのです。こうすると不思議と今まで自分で気づかなかった事にきづけます。

うつ病はリセットボタン 悟りのための通過儀礼

うつ病は今までの環境に我慢してきた自分が「このままじゃヤバい!」とリセットボタンを押したような状態です。私自身結果的にうつ病のおかげで自分を見直す時間が作れました。今ではうつ病を「うつ状態」といつでも起こりうる気持ちと捉え、そういう状態になった時のやるべき事もわかっています。

うつ病自体とは向き合う必要はありません。なにもやりたくなったストレスの原因にこそ答えはあるのですから。私の場合は非常にシンプルでした。デザインはやりたい。でも睡眠不足になる事はやりたくない。この2点さえ満たせればよかったので、結局そんな会社を探す事は諦め自分で会社を興す事に決めました。

あとは嫌な事を無理してやらないために必要だったのは、好きな人をお客さんにする事でした。元々飲食店の職人さんたちに尊敬の念を感じていたのでそういう人の役に立ちたい。という気持ちでやってきたので結果的に嫌いな人が入り込む隙間がなくなり嫌な人と関わる時間というのもほとんどなくなりました。

何十年生きていようと自分の事というのは自分が一番理解していないものです。うつ病という病気のおかげで嫌なもの・嫌いな事がうみのように吐き出され、何が好きなのか?という事に向き合う事ができたのです。

今うつ病を抱えている方は大変苦しいかもしれません。しかし「うつ病はリセットボタン悟りのための通過儀礼」この言葉を心の何処かにとどめておいてください。

この記事が気に入ったら
いいね ! しよう

Twitter で