中村屋特中村屋1100円大盛り150円真空平打ち麺50円
中村屋特中村屋1100円 大盛り150円 真空平打ち麺50円

中村屋さんが創業した当時、家系をはじめとする濃厚なラーメンが人気を博していました。濃厚一辺倒のラーメン業界に一石を投じたのが、中村屋さんのダブルスープのラーメンでした。澄んだスープに当時としては珍しいあごだしを使用した上品なラーメンは、瞬く間に人気を博し、こうした和風だしを強調したラーメン店が注目を浴びるようになったきっかけを作ったといっても過言ではないでしょう。

現在は、区画整理の影響で本店の高座渋谷店は閉店し、ラーメンのコース料理という新たなジャンルに挑戦していた海老名店が現在本店として営業しています。

高級ラーメンコース料理の経験で進化した現在の中村屋

中村屋海老名店の前身「中村やessence」ではラーメンの地位向上と可能性に賭けた前衛的な料理が提供されていました。

コースとして提供される料理はとしてグレープフルーツとバジルを液体窒素で凍らせたウェルカムシャーベットに始まり、薫香を食べる直前まで逃さぬよう真空パックのまま提供される燻製味玉、麺をシャリとしたお寿司、フォアグラのタレを用いた「浸しラーメン」講座豚のわさび焼豚など今見ても食べてみたくなるような料理が提供されていました。

聞いただけでよだれがでてきそうな料理です(笑)

注目するべきは、これらの料理にフレンチの技法がふんだんに取り入れられており、その技術が今の中村屋さんにも影響を与えているのです。

フレンチの技法を取り入れまるで生肉のような食感の焼豚たたき丼

中村屋焼豚のたたき飯 350円
中村屋焼豚のたたき飯 350円

こちら中村屋さんにいったら必ず食す一品です。低温調理で火を通した後、燻しているのでしょうか?一見生ハムのようですが、尖った塩気はなく焼豚としての味をしっかり感じます。

焼豚から推測する中村屋・スープの秘密

中村屋特中村屋焼豚がうまい

中村屋さんのサッパリながらも奥深いコクのあるスープの秘密はどこにあるおでしょうか?この秘密を解くには盛られた3種の焼豚が如実に物語っています。

左・・・ロース焼豚

こちらはおそらく低温真空調理によって作った焼豚を燻したものです。そのためスープには影響がないものだと思われます。ラーメンスープの旨味は鶏ガラや豚骨の骨から抽出していると思われる方も多いかと思われますが、実は骨にこびりついた肉や油から旨味成分を抽出しています。骨から抽出するのはコラーゲンという無味無臭の成分で水と油を合わせる乳化剤の役割を担っています。

そのため、スープで焼豚を煮るというのはスープの旨味を出す上で重要なのですが、先に述べたように真空調理低温とは肉をタレに漬け込み真空状態を作り60ー75℃前後で仕上げる調理法で作っているためこの焼豚はスープの味に寄与してないものと思われます。

もしかしたら焼豚を煮込み旨味をうつしてからタレに絡めているのかもしれませんが、味の入り方からすると上記の方法のように思われます。

真ん中・・・豚バラ肉

生姜焼き風の豚バラ肉は具材として良いアクセントになっていますが、おそらくこちらがスープの旨味の根幹となるものではないでしょうか?

豚バラ肉は表面積も多いため旨味を抽出しやすくなっています。当然ながら煮過ぎれば肉の旨味はなくなってしまうため茹で加減が難しいものです。

右・・・・鳥チャーシュー

これもスープの根幹を支える食材ですね。鶏肉にはゼラチン質が含まれており、スープの粘土の決め手となる食材です。またヒントとなるのが鶏皮が外されている点です。

前述の豚バラ肉というのは旨みが非常によく出るのですが、反面アクとタンパク質の凝固したカスが大量に出ます。そのためフレンチの卵白で悪を取り除く方法がとられているのではないでしょうか?澄んだスープ作りには欠かせない技法ですが、旨味の豊富な油分も取ってしまうという欠点もあります。

そのため鶏皮から鶏油を作りコクを与えているのではないかと推測できます。

通常のラーメン店の倍以上の手間をかけて作られる匠のスープ

魚介とのダブルスープというだけで手間ですが、ベースの獣系スープの作る工程を想像しただけで目がまわりそうです。

1.まずは豚骨。鶏ガラ。香味野菜で旨味を抽出。チャーシュー、豚バラ肉の旨味が肉に残るように高目の温度で煮て旨味をしっかり抽出する。

2.鳥チャーシューを加えて低温で煮る。

3.豚バラ肉を低温で煮る。

4.卵白であくや雑味を取り除く

5魚介スープと合わせる

おそらくですがこのような行程で作られているのではないかと。。。

わかったようなことを書きましたが、中村屋のラーメンはあご出汁の濃度が塩と醤油では全然違い、これをどのように分けているのか?あご出汁の風味をタレにも加えることで出しているのか?専用のスープを作っているのか?とわからない事も多いスープです。

行程も多く、温度管理や材料を入れるタイミングなどで全く違う味になってしまうこのスープをマニュアル化するのは非常に難しいように思えました。

この難しいスープを変わらぬクオリティで提供し続けるのはまさに匠の技と言えるでしょう。

流行り廃りのない王道の味として君臨し続けて欲しい中村屋

中村屋さんはラーメンブームの影響で爆発的に売れた経験のあるラーメン屋さんです。多くのラーメン屋さんは、この爆発的なヒットに呑まれ身を滅ぼし、多くの店が閉店しました。昔のような派手さはないけれど、今なお現場に立ち地道に美味しいラーメンを提供する誠実さには頭が下がります。

欲をいえば、中村やessenceのような前衛的ならーめんを提供した時の飽くなき探究心を思い出し、新たな味を開拓してラーメン界を引っ張って欲しいなどと思います。

中村屋ラーメン / 海老名駅

夜総合点★★★★ 4.5

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